災害時帰宅支援ステーションとは?千葉県から都心へ通勤・通学する人も知っておきたい徒歩帰宅の備え
災害時帰宅支援ステーションとは?
災害時帰宅支援ステーションとは、大規模災害で鉄道やバスなどの公共交通機関が止まったときに、徒歩で帰宅する人を支援するための施設です。
首都圏では、九都県市などが民間事業者等と協定を結び、災害時に徒歩帰宅者を支援する仕組みを整えています。
支援内容としては、主に次のようなものがあります。
- 水道水の提供
- トイレの提供
- 道路情報・災害情報の提供
- 一時的な休憩場所の提供
対象となる施設には、災害時帰宅支援ステーションのステッカーが掲示されています。
ただし、すべての店舗や施設で必ず支援を受けられるわけではありません。
店舗や施設自体が被災している場合、停電や断水が起きている場合、従業員の安全確保が必要な場合などは、支援を受けられないこともあります。
災害時帰宅支援ステーションは、あくまで「徒歩帰宅が必要になった人を、可能な範囲で支える場所」です。
発災直後に無理に歩き始めるための場所ではないことを、まず押さえておきましょう。

九都県市首脳会議とは?千葉県も参加する首都圏の広域連携
災害時帰宅支援ステーションを理解するうえで知っておきたいのが、「九都県市首脳会議」です。
九都県市首脳会議とは、首都圏に共通する広域的な課題について連携して取り組むための会議です。
構成しているのは、次の9つの都県市です。
- 埼玉県
- 千葉県
- 東京都
- 神奈川県
- 横浜市
- 川崎市
- 千葉市
- さいたま市
- 相模原市
千葉県と千葉市も、この九都県市首脳会議の構成メンバーです。
首都圏では、通勤・通学・買い物・通院などで、都県市をまたいで移動する人が多くいます。
たとえば、千葉県内に住んでいる人が東京都内へ通勤していたり、千葉県から神奈川県・埼玉県方面へ移動していたりすることも珍しくありません。
そのため、大規模地震などで鉄道やバスが止まった場合、帰宅困難者の問題は、ひとつの自治体だけでは対応しきれない広域的な課題になります。
そこで九都県市では、首都圏の広域的な帰宅困難者対策として、民間事業者等と帰宅困難者支援協定を締結し、災害時帰宅支援ステーションの取り組みを進めています。
千葉県の会社が運営する家庭防災サイトとしても、この仕組みは非常に重要です。
千葉県内から東京都内へ通勤・通学する方、千葉市・市原市・船橋市・市川市・松戸市・柏市などから都心方面へ移動する方は、自宅周辺だけでなく、勤務先や通勤ルート上の支援施設も確認しておきましょう。
まず大前提|発災直後は「むやみに移動しない」
災害時帰宅支援ステーションを知るうえで、最も大切なのは「むやみに移動を開始しない」という考え方です。
大きな地震が起きると、家族が心配になり、すぐに帰宅したくなるかもしれません。
その気持ちは自然です。
しかし、発災直後に多くの人が一斉に帰宅しようとすると、駅や道路に人が集中し、かえって危険が高まります。
歩道が人であふれ、車道にも人が出てしまうと、救急車、消防車、警察車両、自衛隊車両などの緊急車両が通りにくくなるおそれもあります。
また、災害直後の街には多くの危険があります。
- ビルのガラスや看板の落下
- ブロック塀や外壁の倒壊
- 火災や煙
- 余震
- 道路のひび割れや陥没
- 橋や歩道橋の損傷
- 停電による信号停止
- 通信障害による情報不足
- 夜間の視界不良
普段歩き慣れた道でも、災害後は安全とは限りません。
職場、学校、商業施設、公共施設など、安全が確保できる場所にいる場合は、まずその場にとどまることを考えましょう。
帰宅するかどうかは、道路や交通機関、火災、余震、天候、自分の体調などを確認してから判断することが大切です。
家族にも、「災害時はすぐ帰らなくてよい。まず安全な場所で待ってほしい」と共有しておきましょう。
災害時帰宅支援ステーションで受けられる主な支援
災害時帰宅支援ステーションで受けられる支援は、地域、施設、災害時の状況によって異なります。
一般的には、次のような支援が想定されています。
水道水の提供
徒歩帰宅では、水分補給が重要です。
長距離を歩く場合、脱水や熱中症、体調不良のリスクがあります。
災害時帰宅支援ステーションでは、可能な範囲で水道水の提供を受けられる場合があります。
ただし、断水している場合や、施設側が安全を確認できない場合は、水を提供できないこともあります。
そのため、支援ステーションがあるから水を持たなくてよい、とは考えないようにしましょう。
外出時には、小さな飲料水を持ち歩くことも大切です。
特に夏場や長距離通勤の方は、普段から水分を確保する意識を持っておきましょう。
トイレの提供
徒歩帰宅中に大きな問題となるのがトイレです。
災害時は、駅や商業施設のトイレが混雑したり、断水や停電で使えなくなったりすることがあります。
災害時帰宅支援ステーションでは、可能な範囲でトイレを提供してもらえる場合があります。
ただし、すべての施設で必ず利用できるわけではありません。
店舗や施設のトイレが使えない場合もあります。
また、多くの人が一斉に利用すると、混雑や衛生面の問題も起こりやすくなります。
そのため、携帯トイレを1つ持ち歩くことも、外出時の防災として有効です。
特に子ども、高齢者、持病がある方、長距離移動が多い方は、携帯トイレを防災ポーチに入れておくと安心です。
道路情報・災害情報の提供
災害時帰宅支援ステーションでは、地図やラジオなどで得た道路情報、災害情報を提供してもらえる場合があります。
徒歩帰宅では、どの道が通れるか、どこで火災が起きているか、橋や道路に危険がないかを確認することが大切です。
スマホで情報を調べられる場合もありますが、災害時は通信が混み合ったり、バッテリーが切れたりする可能性があります。
支援ステーションで得られる情報は、徒歩ルートを判断するうえで役立つことがあります。
ただし、情報は常に変化します。
一度聞いた情報だけを信じて歩き続けるのではなく、途中でも複数の情報源を確認しながら行動しましょう。
一時的な休憩場所の提供
徒歩帰宅は、想像以上に体力を使います。
特に、革靴やヒールで通勤している場合、長距離を歩くのは大きな負担です。
支援ステーションでは、可能な範囲で一時的な休憩場所を提供してもらえる場合があります。
ただし、休憩は長時間の滞在を前提としたものではありません。
施設側も被災している可能性があり、従業員や他の利用者の安全確保も必要です。
休憩場所を使う場合は、短時間で体調を整え、周囲に配慮して利用しましょう。
災害時帰宅支援ステーションの具体的な場所
災害時帰宅支援ステーションは、特定の1か所だけを指すものではありません。
九都県市の公式情報では、次のような施設が災害時帰宅支援ステーションとして紹介されています。
- コンビニエンスストア
- ファミリーレストラン
- ファーストフード店
- 居酒屋
- カラオケスペース
- ガソリンスタンド
- 自動車販売店
- 都立学校
- 東京武道館
協定締結事業者や対象施設には、災害時帰宅支援ステーションのステッカーが掲示されていることがあります。
ただし、掲載されているチェーンや施設であっても、すべての店舗で必ず支援を受けられるとは限りません。
災害時には、店舗や施設そのものが被災している可能性があります。
停電、断水、建物被害、従業員の安全確保などにより、水道水、トイレ、道路情報、一時休憩場所などの支援を受けられないこともあります。
そのため、平時には通勤・通学ルート上にある該当施設を「候補」として確認し、災害時には施設側の案内や現地の安全状況に従って利用しましょう。
コンビニエンスストア
徒歩帰宅時に見つけやすい代表的な施設が、コンビニエンスストアです。
九都県市の帰宅困難者対策ページでは、協定締結事業者として、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、デイリーヤマザキなどのコンビニエンスストアが紹介されています。
コンビニは通勤・通学ルート上に多く、ステッカーの有無を確認しやすい施設です。
普段の移動中に、どのあたりにコンビニがあるかを意識しておくと、災害時の判断材料になります。
ただし、災害時には店舗も被災します。
停電、断水、商品の落下、従業員の安全確保などにより、通常営業できない場合があります。
ステッカーがある店舗でも、必ず支援を受けられるとは限らない点に注意しましょう。
ファミリーレストラン・ファーストフード店など
ファミリーレストラン、ファーストフード店、カフェ、居酒屋、カラオケスペースなども、災害時帰宅支援ステーションとして紹介されています。
九都県市の公式情報には、ガスト、バーミヤン、ジョナサン、デニーズ、ロイヤルホスト、モスバーガー、吉野家、日高屋、カレーハウスCoCo壱番屋、ドトールコーヒー、カラオケ館などの名前が掲載されています。
これらの施設は、比較的広い店内やトイレがあるため、徒歩帰宅中の休憩候補になる場合があります。
ただし、飲食店は営業時間、建物の安全確認、店内の混雑状況、従業員の配置などによって、利用できるかどうかが変わります。
「必ず休める場所」としてではなく、「安全確認後に利用できる可能性のある支援拠点」として考えましょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドも、災害時帰宅支援ステーションとして案内されることがあります。
幹線道路沿いに多く、徒歩帰宅ルート上の目印になりやすい施設です。
九都県市の公式情報では、ENEOS、apollostation、コスモ石油などのガソリンスタンド関連の事業者も掲載されています。
ガソリンスタンドでは、水道水、トイレ、道路情報などの支援を受けられる場合があります。
一方で、災害時は給油を求める車が集中することもあり、混雑する可能性があります。
また、燃料設備を扱う施設であるため、安全確認も重要です。
施設側の指示に従い、無理な利用や長時間滞在は避けましょう。
自動車販売店・都立学校など
九都県市の公式情報では、自動車販売店や都立学校、東京武道館なども災害時帰宅支援ステーションとして紹介されています。
自動車販売店については、トヨタ販売店、日産販売店、Honda Carsなどの名前が掲載されています。
また、東京都では、島しょを除く全都立学校と東京武道館が災害時帰宅支援ステーションとして案内されています。
東京都内へ通勤・通学している方は、勤務先や学校周辺にある都立学校、幹線道路沿いの自動車販売店なども、平時に確認しておくと安心です。
ただし、学校や公共施設も災害時には避難所、地域の防災拠点、児童生徒の安全確保など、別の役割を担っている場合があります。
現地の案内や自治体の情報に従って利用しましょう。
千葉県から都心方面へ通勤・通学する人が確認したいルート
千葉県内に住んでいる方にとって、帰宅困難者対策は特に身近な問題です。
千葉県から東京都内へ通勤・通学している場合、鉄道が止まると、すぐに帰宅できない可能性があります。
また、徒歩帰宅を考える場合でも、橋、河川、湾岸部、幹線道路、混雑する駅周辺など、注意すべき場所が多くあります。
特に確認しておきたいのは、次のようなルートです。
- 東京都心から千葉方面へ向かうルート
- 江戸川や荒川など大きな河川を渡るルート
- 国道14号、国道357号、国道16号など幹線道路沿い
- 東京湾岸部を通るルート
- 千葉市・船橋市・市川市・松戸市・柏市・市原市方面へ向かうルート
- 勤務先から最寄りの一時滞在施設や避難場所
- 通勤ルート上の災害時帰宅支援ステーション
徒歩で帰るかどうかを判断する前に、まずは職場や学校など安全な場所で待機することが基本です。
そのうえで、どうしても徒歩帰宅が必要になった場合に備え、平時から複数のルートと支援施設の候補を確認しておきましょう。
スマホの地図だけでなく、オフラインマップや紙の地図にも印を付けておくと安心です。
利用するときの注意点
災害時帰宅支援ステーションは心強い仕組みですが、万能ではありません。
利用するときには、いくつかの注意点があります。
すべての店舗で必ず利用できるわけではない
協定締結事業者として掲載されているチェーンであっても、すべての店舗で必ず支援を受けられるとは限りません。
店舗や施設自体が被災している場合、停電している場合、断水している場合、建物の安全確認ができていない場合などは、支援を受けられないことがあります。
また、地域や施設によって、支援内容が異なる場合もあります。
ステッカーがあるかどうか、自治体や九都県市の公式情報で確認しておくことが大切です。
支援は「可能な範囲」で行われる
災害時帰宅支援ステーションの支援は、施設側が可能な範囲で行うものです。
水道水、トイレ、道路情報、休憩場所などが想定されていますが、状況によっては一部しか利用できない場合もあります。
利用する側も、「助けてもらって当然」ではなく、施設側も被災している可能性があるという意識を持つことが大切です。
長時間滞在や買い占めを前提にしない
災害時帰宅支援ステーションは、避難所ではありません。
長時間滞在したり、店舗内に座り込んだり、商品を買い占めたりすることは避けましょう。
災害時は、飲料や食品、電池、衛生用品が不足しやすくなります。
必要なものを必要な分だけ利用する意識が大切です。
トイレや休憩場所を利用する場合も、次の人が使えるように配慮しましょう。
徒歩帰宅を判断する前に確認したいこと
災害時帰宅支援ステーションの場所を知っていても、すぐに徒歩帰宅を始めるのは危険です。
歩き出す前に、必ず次の点を確認しましょう。
道路・橋・河川の安全性
徒歩帰宅では、道路や橋を通ることになります。
地震後は、道路の陥没、液状化、橋の損傷、歩道橋の危険、落下物などが起きている可能性があります。
特に千葉県方面へ帰る場合、東京都と千葉県の間で大きな河川を渡るルートになることがあります。
橋が通行できるかどうかは、徒歩帰宅の判断に大きく関わります。
いつもの最短ルートが安全とは限りません。
道路情報、自治体情報、警察・消防からの情報、施設で得られる情報を確認しましょう。
火災・余震・天候・時間帯
災害直後の徒歩帰宅では、火災や余震にも注意が必要です。
市街地で火災が発生している場合、煙や熱、通行止めによりルートを変更しなければならないことがあります。
また、夜間に歩く場合は、足元が見えにくく、防犯面の不安も高まります。
大雨、暴風、猛暑、真冬の寒さがある場合も、徒歩帰宅のリスクは大きくなります。
「歩ける距離だから帰る」ではなく、「安全に歩ける状況か」を判断しましょう。
自分の体力と帰宅距離
職場や学校から自宅までの距離を、普段から確認しておきましょう。
電車で30分の距離でも、徒歩では何時間もかかることがあります。
災害時は、普段より歩きにくい条件が重なります。
- 道路が混雑している
- 信号が止まっている
- トイレが使いにくい
- 水分補給が難しい
- 荷物が重い
- 靴が歩きにくい
- 余震がある
- 暑さや寒さがある
革靴やヒールで長距離を歩くのは現実的ではありません。
職場や学校にスニーカーを置いておく、通勤バッグに薄い靴下を入れておくなど、徒歩移動に備えた準備も必要です。
家族の安否確認が済んでいるか
家族と連絡が取れないまま歩き出すと、不安から無理な行動をしてしまうことがあります。
災害時は電話がつながりにくくなるため、災害用伝言ダイヤル171、web171、LINE、メール、SMSなど、複数の連絡手段を決めておきましょう。
また、家族で次のようなルールを決めておくと安心です。
- 職場や学校で被災したら、まず安全な場所で待機する
- すぐに徒歩帰宅しない
- 連絡が取れない場合は、災害用伝言ダイヤルに安否を残す
- 子どもは学校の引き渡しルールに従う
- 夜間や悪天候では無理に帰らない
- 帰宅を開始する場合は、出発前に家族へ伝言を残す
家族の間で「無理に帰らなくてよい」と共有しておくことが、冷静な判断につながります。
通勤・通学ルートで事前に確認しておきたいこと
災害時帰宅支援ステーションは、災害が起きてから探すのではなく、平時に確認しておくことが大切です。
通勤・通学ルート上で、次のポイントを確認しておきましょう。
- 災害時帰宅支援ステーションのステッカーがある施設
- コンビニエンスストア
- ファミリーレストラン
- ガソリンスタンド
- 自動車販売店
- 公共施設
- 公園
- トイレを借りられる可能性がある場所
- 水分を補給できる場所
- 橋や歩道橋
- 火災時に避けたい密集地
- 夜間に暗くなる道
- 冠水しやすい道路
- 津波や浸水の危険がある場所
- 土砂災害の危険がある場所
スマホの地図だけでなく、紙の地図やオフラインマップも用意しておくと安心です。
災害時はスマホの電池切れや通信障害が起こる可能性があります。
また、実際に一部区間を歩いてみると、地図では分からない危険や距離感が見えてきます。
歩道の広さ、坂道、橋、トイレの有無、夜間の明るさなどを確認しておくと、災害時の判断材料になります。
外出時に持ち歩きたい0次防災アイテム
災害時帰宅支援ステーションは役立つ仕組みですが、支援を受けられるまでの間は、自分の持ち物が頼りになります。
外出時には、普段のバッグに入れられる小さな防災ポーチを用意しておくと安心です。
持ち歩きたいものは、次のとおりです。
- モバイルバッテリー
- 充電ケーブル
- 小型ライト
- ホイッスル
- 飲料水
- 飴・羊羹・チョコなどの行動食
- ウェットティッシュ
- マスク
- 絆創膏
- 常備薬
- 携帯トイレ
- 防臭袋
- 少額の現金
- 家族の連絡先メモ
- 身分証明書等のコピー
- 薄手のレインポンチョ
- 季節に応じた暑さ・寒さ対策用品
すべてを持ち歩くと重くなるため、自分の通勤距離や生活スタイルに合わせて選びましょう。
特に、スマホの電源、明かり、連絡先、水分、トイレ対策は優先度が高いです。
防災ポーチは、普段のバッグを替えるときにも移しやすいよう、ひとつにまとめておくと続けやすくなります。
家族で決めておきたい帰宅困難時のルール
家庭防災では、家族が一緒にいるときだけでなく、別々の場所にいるときのルールが重要です。
平日の日中に大地震が起きた場合、家族はそれぞれ違う場所にいる可能性があります。
そのため、次のようなルールを話し合っておきましょう。
すぐ帰るか、待機するか
大きな地震が起きたら、すぐに帰宅するのではなく、まず安全な場所で待機する。
この考え方を家族全員で共有しておきます。
特に子どもには、「家に帰ろうとして一人で動き出さない」「学校や先生の指示に従う」と伝えておくことが大切です。
連絡方法を複数決める
災害時は電話がつながりにくくなることがあります。
家族の安否確認は、複数の手段を決めておきましょう。
- 災害用伝言ダイヤル171
- web171
- LINE
- SMS
- メール
- 親戚宅への伝言
- 学校・職場の安否確認システム
毎月1日・15日などの体験利用日を活用して、171の使い方を一度練習しておくと安心です。
集合場所を段階的に決める
家族の集合場所は、ひとつだけではなく、段階的に決めておきましょう。
例としては、次のような形です。
- 第1候補:自宅
- 第2候補:近所の避難場所
- 第3候補:広域避難場所
- 第4候補:親戚宅・知人宅
自宅が危険な場合、浸水や火災で近づけない場合もあります。
複数の候補を決めておくことで、災害時に迷いにくくなります。
子どもの引き渡しルールを確認する
子どもが学校、保育園、幼稚園、塾、習い事にいる時間帯に災害が起きることもあります。
各施設の引き渡しルールを確認しておきましょう。
- 誰が迎えに行くのか
- 代理人は登録されているか
- 連絡が取れない場合どうなるか
- 徒歩で迎えに行ける距離か
- 迎えに行けない場合の待機ルール
- 学校の避難場所はどこか
親が無理に長距離を歩いて迎えに行こうとすると、途中で危険に巻き込まれる可能性があります。
施設側のルールを事前に確認し、家族で共有しておきましょう。
災害時帰宅支援ステーションで避けたい行動
災害時帰宅支援ステーションを利用する場合、避けたい行動もあります。
発災直後にすぐ歩き出す
支援ステーションがあるからといって、発災直後に歩き出すのは危険です。
まずは安全な場所で待機し、道路や火災、余震、交通機関の情報を確認してから判断しましょう。
店舗や施設に過度な支援を求める
支援ステーションの支援は、可能な範囲で行われます。
店舗側も被災している可能性があります。
「水を必ずもらえる」「トイレを必ず使える」「長時間休ませてもらえる」と決めつけないようにしましょう。
商品を買い占める
災害時は、飲料や食品、電池、衛生用品が不足しやすくなります。
自分の不安だけで大量に買い込むと、他の人に必要な物資が行き渡らなくなります。
必要な分だけ利用する意識が大切です。
体調不良を我慢して歩き続ける
徒歩帰宅中に、めまい、息切れ、足の痛み、脱水、寒気、強い疲労を感じた場合は、無理をしないでください。
休憩し、必要であれば周囲や施設、自治体、警察、消防などへ助けを求めましょう。
特に高齢者、妊娠中の方、持病がある方、子ども連れの方は、徒歩帰宅を慎重に判断する必要があります。
災害時帰宅支援ステーション活用チェックリスト
最後に、平時に確認しておきたいポイントを整理します。
ルート確認
- 職場から自宅までの徒歩距離を確認した
- 学校から自宅までの徒歩距離を確認した
- 通勤・通学ルート上の支援ステーションを確認した
- 橋・歩道橋・地下道・高架下の位置を確認した
- 火災時に避けたい密集地を確認した
- 浸水や土砂災害の危険がある場所を確認した
- 夜間に暗い道を確認した
持ち物
- モバイルバッテリー
- 小型ライト
- 飲料水
- 行動食
- 携帯トイレ
- ウェットティッシュ
- 常備薬
- 少額の現金
- 家族の連絡先メモ
- 歩きやすい靴
家族ルール
- 災害時はすぐ帰らず安全な場所で待機する
- 安否確認の方法を複数決めている
- 災害用伝言ダイヤル171を練習した
- 子どもの引き渡しルールを確認した
- 集合場所を複数決めている
- 夜間や悪天候では無理に徒歩帰宅しない
- 家族全員が「むやみに移動しない」原則を理解している
まとめ:支援ステーションは「安全確認後の徒歩帰宅」を支える場所
災害時帰宅支援ステーションは、大規模災害で公共交通機関が止まり、徒歩で帰宅する人を支援するための仕組みです。
コンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ファーストフード店、ガソリンスタンド、自動車販売店、都立学校などで、水道水、トイレ、道路情報、一時的な休憩場所などを可能な範囲で提供してもらえる場合があります。
この取り組みは、千葉県・千葉市も参加する九都県市首脳会議の帰宅困難者対策とも関係しています。
千葉県内から東京都内へ通勤・通学している方にとっても、知っておきたい首都圏広域の防災情報です。
ただし、最も大切なのは、災害時帰宅支援ステーションを「発災直後にすぐ帰るための場所」と考えないことです。
大きな地震の直後は、落下物、火災、余震、道路の損傷、橋の危険、駅周辺の混雑など、多くのリスクがあります。
まずは職場、学校、施設など安全な場所で待機し、状況が落ち着いてから徒歩帰宅を判断することが基本です。
徒歩帰宅をする場合も、支援ステーションだけに頼るのではなく、自分でも備えておく必要があります。
モバイルバッテリー、小型ライト、飲料水、行動食、携帯トイレ、家族の連絡先メモなどを、普段のバッグに入れておくと安心です。
また、家族で安否確認の方法や集合場所を決めておくことも重要です。
災害時は、家族が別々の場所にいる可能性があります。
「すぐ帰る」ではなく、「まず安全な場所で待つ」「連絡手段を使って安否を残す」「安全確認後に行動する」というルールを共有しておきましょう。
今日できることは、次の3つです。
- 通勤・通学ルート上の災害時帰宅支援ステーションを確認する
- 防災ポーチにモバイルバッテリー・ライト・携帯トイレを入れる
- 家族で「災害時はむやみに移動しない」ルールを決める
災害時帰宅支援ステーションは、知っているだけで安心材料になります。
ただし、本当の備えは、ステーションの場所を知ることだけではありません。
いつ歩くのか。
いつ待つのか。
家族とどう連絡するのか。
そこまで決めておくことが、外出中の被災から身を守る家庭防災につながります。
参考情報
※以下の参考情報は、2026年6月7日に確認しています。
・内閣府「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」
本記事では、発災後の一斉帰宅抑制と「むやみに移動を開始しない」基本原則を確認しました。
・九都県市首脳会議公式Webサイト「九都県市首脳会議とは」
本記事では、九都県市首脳会議の概要と、首都圏の広域的課題に取り組む枠組みであることを確認しました。
・埼玉県「九都県市首脳会議」
本記事では、九都県市首脳会議の構成団体、創設、開催方式、広域的課題への取り組みを確認しました。
・千葉県「九都県市首脳会議」
本記事では、千葉県も九都県市首脳会議に参加していることを確認しました。
・九都県市首脳会議 防災・危機管理対策委員会「帰宅困難者対策」
本記事では、災害時帰宅支援ステーションの支援内容、ステッカーの目印、協定締結事業者の例を確認しました。
・千葉市「災害時における帰宅困難者支援に関する協定の締結事業者が増えました」
本記事では、九都県市が民間事業者等と帰宅困難者支援協定を締結していること、協定締結先が増えていることを確認しました。
・東京都防災ホームページ「帰宅困難者対策」
本記事では、都立学校や東京武道館などの災害時帰宅支援ステーション、帰宅困難者対策の考え方を確認しました。
・千葉県「帰宅困難者等対策」
本記事では、千葉県内における徒歩帰宅者支援、水道水・トイレ・道路情報等の支援内容を確認しました。